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映画ロケ地でよみがえる昭和の遊園地(2)東宝編

― 昔の邦画に残された、失われた遊園地の貴重映像を探して ―

前回に引き続き、現在でも配信サービスなどで視聴可能な作品を中心に、「昭和の遊園地映像が楽しめる邦画」を紹介していきます。

【東宝映画作品編】

『おかあさん』 (1952年 モノクロ 新東宝)

向ヶ丘遊園(神奈川県川崎市・閉園)

1時間17分40秒~ 豆電車と空中ケーブルカー(ロープウェイ)で向ヶ丘遊園地へ

女手一つで子どもたちを育て上げたおかあさん(田中絹代)。飛行塔に乗っている子供たちを地上から見送ったり、いっしょに遊具で遊ぶが、さすがに少し疲れ気味のようです。当時、オープンして間もないウォーターシュートが映し出されています。

 

向ヶ丘遊園は1927年に開園、「花と緑の遊園地」としてさまざまな植物が植えられており、花見の名所でもありました。この作品で登場する「豆電車」は、小田急線向ヶ丘遊園駅から遊園地までを結ぶミニ路線。戦前はエンジン車両でしたが戦後電車となりました(参考WEB)。後にこのルートにはモノレールが開通しました。

 

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『電送人間』(1960年 モノクロ)

多摩川園(東京都大田区田園調布・閉園)

2分00秒~ 遊園地園内から、お化け屋敷「悪魔の洞窟」シーン

5分30秒~ 警察による現場検証シーン

観客たちがアトラクション「悪魔の洞窟」に入ると、その奥でブローカーの殺人事件が発生、多数の目撃者があるにもかかわらず犯人は忽然と消えてしまう。記者の桐岡(鶴田浩二)は洞窟内で不思議な部品を発見する。洞窟内部の映像が実際のアトラクション内なのか、別途セット撮影したものかどうかはわかりませんでした。

多摩川園は1925年に開園、温泉浴場を中心に遊園地施設が設置されていました。1979年に閉園。閉園後は一部敷地がテニスコートなどを経て、現在は「田園調布せせらぎ公園」として近隣の憩いの場所となっています(多摩川園の当時の写真は東急フォトミュージアムに多数あります)。

 

 

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ニッポン無責任野郎(1962年)

船橋ヘルスセンター(千葉県船橋市・閉園)

45分26秒~ 新婚旅行(?)シーン

 源等(植木等)は丸山英子 (団令子)との結婚式を終え、皆に見送られながら式場を出るが新婚旅行と言われてやってきたのは、なぜが遊園地だった。アトラクションに乗りながら「ここがハワイだ」「エッフェル塔だ」など無邪気にはしゃぐ等に最初は冷たくツッコミを入れる英子だったが、次第に等のノリが楽しくなってくる。

 1955年に「白亜の温泉デパート」をキャッチフレーズに掘削した温泉を中心に、遊園地や大型プールなどを揃えた超大型遊戯施設でした。1971年に地盤沈下の影響から温泉組み上げを終了、1977年に閉園。閉園後は「ららぽーと船橋ショッピングセンター」(現「ららぽーとTOKYO-BAY」)が新たに開業している。子供の頃に頻繁にテレビCMで流れていた『長生きチョンパ』は今でも頭に残っています。

 

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日本一のホラ吹き男(1964年)

西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)

1時間8分30秒〜 デートシーン(予告編にも登場)

 初等(植木等)がクレイジーキャッツの「学生節」を歌いながら、池のボートでデート。この池は現在は埋め立てられ「レッツゴー!レオランド」エリアとなっています。当時存在していた「ウォーターシュート」や「大展望塔」(後の「ロケット展望台」)も見られます。

 「大展望塔」は現在の「富士見展望塔」とは違うもので1956年に旧海軍の無線塔を再利用して建てられたものだそうです(参考WEB)。

  余談ですが、現在の西武園ゆうえんちは昭和がテーマとなっているため、ネット上で昭和当時の資料を集めようとしても、今の写真や資料ばかりが出てきてなかなか調べるのに苦心します(笑)。

 

 

向ヶ丘遊園(神奈川県川崎市・閉園)

1時間21分10秒〜 花の大階段で「世界は僕らのためにある」を歌って踊るシーン(予告編にも登場)

 この大階段は立ち入りできないものの現在も残されており(藤子・F・不二雄ミュージアム隣)、小田急電鉄による向ヶ丘遊園跡地再開発に合わせて整備し直されています(2030年開発終了予定)。

 

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クレージー大作戦(1966年)

 京王百貨店屋上遊園地(東京都新宿区・閉園)

1時間04分35秒〜 隣のビルを覗くシーン

 暗黒街組織の10億円強奪を狙う義賊団、石川吾郎(植木等)と大平久(谷啓)は、おじいさんと孫に扮し、屋上遊園地に。双眼鏡越しに現金輸送の計画を大平の読心術で入手する。遊園地の豆汽車などが映っている。

 昭和の時代はデパートの屋上に遊園地があるのが定番で、この屋上遊園地も百貨店のオープンとほぼ同時期の1965年に開業。時代の流れでリニューアルを繰り返しながらも2014年9月に運営を終了しました(参考WEB)。

 

伊豆富士見ランド(閉園)

1時間27分54秒〜 開園セレモニー〜逃亡シーン(予告編にも登場)

 10億円強奪に成功した一味は、その現金を楽団員の大太鼓の中に隠し、開園セレモニーパレードに参加する。大太鼓をもって加古井(ハナ肇)が逃亡するシーンでは動力のない坂道を滑り降りるカートアトラクションの「ソープカー」や、「バズーカ砲」といったアトラクション利用シーンも見られる。伊豆富士見ランドは、静岡県伊豆の国市に1966年に開業。本作品では開業直後の当園がロケ地となっており、作品前に「協賛」として名前が出ている。1998年閉園。

 

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【番外】喜劇 駅前天神(1964年)

後楽園ゆうえんち

1分58秒~ 冒頭の都内映像

 冒頭の一瞬だけですが、都内風景の中に、後楽園駅を中心とした俯瞰映像があり、現在のラクーアエリアが見えます。私の記憶では、丸の内線に並走する形でジェットコースターがありましたが、それは1968年に完成した二代目ジェットコースターで、初代は別の位置でした。

 

 私の調べ方もあると思いますが、東宝作品では特にコメディ作品で遊園地がロケに使われやすいようです。楽しい遊園地とお気楽に楽しめるコメディ作品との相性が良いのでしょうね。

 

以上、第二回:東宝作品編でした。

 

第一回:松竹映画編

第三回:日活映画編

最終回:東映・大映ほか編