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映画ロケ地でよみがえる昭和の遊園地(3)日活編

― 昔の邦画に残された、失われた遊園地の貴重映像を探して ―

「昭和の遊園地映像が楽しめる邦画」を紹介する第三回目(第一回第二回)。今回は日活作品です。

 

 

青い乳房(1958年 モノクロ)

豊島園(閉園)

44分00秒~、園内を歩くシーン、ウォーターシュート、プールなど

 主人公堀江宏(小林旭)は、父の後妻・容子(渡辺美佐子)に封筒を手渡すと人ごみの中に消えた。宏がジャズ喫茶で出会った”ジャックの健”(小高雄二)の入れ知恵だった。その封筒がきっかけで7年前の事件の記憶を呼び戻された容子は、宏に豊島園に呼び出されるが、そこで待っていたのは健だった。まだウォーターシュートがある時代の園内やプール(まだ流れるプールなどが無い)の映像を見られます。

 1926年「練馬城址 豊島園」として部分開園。1927年にウォーターシュートなどを備えて全面開園。本作品に登場するプールは戦前から存在するが、有名な「流れるプール」は1965年のオープンなので当時はまだありません。その後、多数のアトラクション・施設を導入し東京屈指の遊園地となりましたが、東京都の防災公園計画のため敷地が買収されることになり2020年に閉園しました。現在は、一部が練馬城址公園とワーナー・ブラザーススタジオツアー東京となっています(旧プールエリアは2026年時点で工事中)。

 

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すべてが狂ってる(1960年 モノクロ)

後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)

25分25秒~ 園内をぶらつき、久保らと出会うシーン

 杉田次郎(川地民夫)は、母に対する不信から不良グループに入り憂さを晴らそうとするがモヤモヤが晴れない。想いを寄せる彼女にも冷たく当たり部屋を飛び出した次郎は、遊園地をぶらつく。そこで友人の久保(山本勝)らと出会う。久保は典子(吉永小百合)らと離れ、次郎と共に二重観覧車に乗り込み近況を話し合うが…。現在とは全く異なるアトラクション類の数々を見ることができます。

 1955年後楽園球場周辺開発の一環で開園。日本初の本格的ローラーコースターとしてオープンした「ジェットコースター」は、その後日本でのローラーコースターの一般名称となりました。また1970年代から特撮テレビヒーローショーのイベントが定着、聖地化しています。

 

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ひとりぼっちの二人だが(1962年)

浅草花やしき

42分00秒~ 展望塔に逃げ込み浅草を一望する

1時間28分00秒~ ラストの対決シーン~エンディング

 好色社長のもとに見受けが決まったことに嫌気をさして置屋から逃げ出した芸者のユキ(吉永小百合)は、幼馴染の三郎(浜田光夫)、九太(坂本九)らと再開する。本作品は全編にわたり浅草でロケが行われており、浅草花やしきの今は無き展望塔や、今でも現存するローラーコースターなど多数のアトラクションを見ることができる。ラストシーンでは3人を救ったボクサー英二(高橋英樹)も閉園後の浅草花やしきに現れ、ヤクザ達と対峙する。ハッピーエンド後、アトラクションが動き出す中、三郎がゲートに向かうシーンには感動。

 浅草花やしきは1853年に植物園「花屋敷」として開園。古くからの一大観光地である浅草の一角を担い続けている。戦前には経営の二転三転や閉園と再開を繰り返していたが、戦後1947年に松竹と東京娯楽機(後のトーゴ)により「浅草花屋敷」(1949年に「浅草花やしき」に名称変更)として再開しました。現在はバンダイナムコグループの元、小規模遊園地でありながら、浅草の立地や規模の小ささによる身軽さを武器に、現在も人気遊園地となっています。

 

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夜のバラを消せ(1966年)

宝塚ファミリーランド(閉園)

39分01秒~ 待ち合わせ場所の遊園地シーン

 徳川新六(石原裕次郎)は、政界を引退したものの腐敗した政治家を一掃しようとする千成の下で働いている。ある日、新六は政治家との癒着がある事業家の田門が持つ輸出許可証を狙えとの命令を受ける。新六は田門を脅し、許可証の受け渡し場所である深夜の遊園地にやってくるが、それは田門の罠だった。メリーゴーラウンドでのシーンや、コーヒーカップ上でのアクションシーン(予告編にも登場)がある。

 

 1924年に、前年に焼失した劇場跡地の再建にあわせて、遊園地「ルナパーク」を開設。戦時中は日本軍やGHQにより閉鎖されていたが、戦後に再開。1960年に施設全域の名称として「宝塚ファミリーランド」となりました。その後も二重式観覧車(後に別府ケーブルらくてんちに一部移設)や様々な絶叫マシンの導入なども行われましたが、レジャー環境の変化により入園者数が減少、2003年に閉園しました。

 

恋のハイウェイ(1967年)

横浜ドリームランド(閉園)

37分56秒 母と遊園地で遊ぶシーン

 雑誌記者の梶若葉(吉永小百合)が、出張中の取材失敗の憂さ晴らしに行った「ポンコツサーキット」で偶然再会した母(奈良岡朋子)に誘われて奈良の遊園地(台本上は奈良ドリームランド)に遊びに行く(横浜ドリームランドについては「第一回:松竹編」をご参照ください)。

 この前のシーンに登場する「ポンコツサーキット」は廃車同然の自動車を貸出し、私有地内に作られた走行路を自由に走り回る施設で、無免許でもOK、ワザとでなければ追突もあり、というかなりアグレッシブなアトラクションだったようです(TBSスパークル映像ライブラリーに当時の報道映像があります)。

 また遊園地ではありませんが、有楽町交通会館の回転レストラン(2021年回転停止)のシーンも見どころです。

 

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娘の季節(1968年)

よみうりランド

36分50秒~ 入園ゲート・ステージ・パラシュート・ゴーカート・プールなど(予告編にも登場)

 ワンマンカー制度に切り替わりつつある路線バス会社でバスガールに勤務するみどり(和泉雅子)らの若い女性たちの職場の悩みなどを描く作品。会社の交流会でよみうりランドを訪れ、同僚たちと楽しいひと時を過ごす。かつて園内を運行していたモノレールの姿も垣間見えます。

 よみうりランドは多摩丘陵一帯のゴルフコース、人口スキー場、釣り堀などのある広大な敷地の一角に1964年に開園。水中バレエ劇場や海水水族館なども併設されていました。丘陵の斜面を活用した大型ローラーコースター「バンデット」などが人気。最近では2016年に「グッジョバ!」エリアの新設、2026年には「ポケパークカントー」がオープンなど遊園地や近隣施設などのリニューアルに積極的です。

 

 日活作品では公式サイトに「ロケ地マップ」のコーナーがあり、そこからある程度事前に調べることができました(ただし、台本などの資料に基づいているため、間違いもあるようです)。ここには掲載しませんでしたが、他にも多数の遊園地ロケ作品があるようでした。

 

 

第一回:松竹編

第二回:東宝編

最終回:東映・大映ほか編