TDSのいろいろ(2003年1月5日執筆)

 最近、私は東京ディズニーシーが好きである。断っておくが、東京ディズニーランドではない。もちろん、日本の各地に存在する「テーマパークを名乗る施 設」のなかでは、TDLも高レベルに位置するのは確かである。TDS、TDLは日本の代表テーマパークと言えるだけあって、アトラクションにしろイベント にしろ、単なる飾りである造形にしろ、他のパークにくらべてけた違いだ。細かい点では不満もあるが、他のパークに比べれば微々たる物。
 話を元に戻して、TDS。オープンしてから1年と3ヶ月が経過した。話によると、実はあまり成功してはいないらしい。確かに平日の夜ともなればがらがら の日もある(そんな日は最も並ぶと言われる「センターオブジアース」でさえ10分待ちだ)。ある人はTDSがつまらない理由をこう言った「アトラクショ ン」が少ないから。そりゃそーだ。TDLだってオープン当初は、「シンデレラ城ミステリーツアー」も「スプラッシュマウンテン」も「ビックサンダーマウン テン」も無かった。「トゥーンタウン」も公開されていなかった(設定上は存在していたことになっているが(笑))。みんな、後から増えていったのだ。
 また、ある人は言う。「ミッキーに会えない」。TDLはミッキーマウスをはじめとしたトゥーンキャラクター達が住んでいる、ディズニーとミッキーが生ん だ魔法の町。ミッキーはホストなのだから、常にパークのどこかにいる。TDSはそうではない。ミッキーもTDSにやってくる1人の冒険者にすぎない。 TDSでキャラクターに会えたときは、偶然旅行先で見知った友人とばったり出会ったようなものだ。
 まぁ、私はキャラクターにはあまり興味が無いので(そして、良く同行する彼女は、ミッキー&ミニーよりドナルド&ディジーのファンだったりする)、キャラクター抜きで楽しめるTDSが好きな理由の一つになっている。
 予断だが、「セイル・アウェイ」を見ていたとき、前半のダンサーの演技中(前半はキャラクターは出てこない)ひたすら「ミッキーは、ねぇミッキー出ない の?」と、しつこく彼氏に話し続けていた20代くらいの女性がいたが、心の中で「それなら、TDLに行け」と思っていたのは言うまでもない。そして、さら にミッキーマウスが出ている間中、「ミッキー、ミッキー」と叫びつづけていた。彼女には、他のダンサーの演技はまったく目に入っていないのかと思うと、ダ ンサーたちが不憫に思えてならない。あのカップルが、あの後に「ミスティックリズム」や「アンコール」を見に行っていない事を願うばかりだ(両方ともキャ ラクターは登場しない)。

さて、TDSの何が一番好みなのだろう。今更ながら考えてみると、あくまでTDSは「日本のパーク」なのだなということかもしれない。アトラクションや 設定はヨーロッパの町並みやディズニーアニメであることは確かなのだが、TDLがあくまで、「米国のディズニーランドの日本版」であるのに対して、TDS は「日本ならではのパーク」なのである。TDLがオープンして間もなく20年、その間にオリエンタルランド社の中で培われ、日本人にローカライズされた演 出、サービス、環境、アイデア、それらがTDSになっているように感じます。
 そもそも、第2パークの当初の計画であった「撮影所パーク」を白紙撤回にしたのも日本人だし、「海」をテーマにしようとしたのだって日本人である(もち ろん、計画スタッフの中には本家ディズニー社のスタッフも含まれてはいるが)。広大な大地を持つ国アメリカの人々には、「海」を身近に感じることができる のは海岸のある州に住んでいる人ぐらいだから、そんな「海」にたいする思い入れは日本人ほど強くないはずだ(その証拠に、アメリカをモチーフにしているエ リア「ロストリバーデルタ」は海ではなく「川」である。実際は河口付近なので海に近いとも言えなくもないが)。
 TDLの中にいて感じるのは「ああ、これがウォルトディズニーの世界なんだな」というもので、つまり「アメリカ人のノスタルジック」なのだ。楽しいし、 新たな発見もあるのでそれはそれで満足なのだが、日本人の心の中にある何かが欠けていて、海外旅行者の「ああ、お茶漬けがたべたい」的な感じが心の中に残 るのである。
 これが、TDSだと、同じような外国の世界なのに安心してしまう。つまり、日本人にとっての憧れの街であるアメリカやヨーロッパがそこにあるからなの だ。この点では、ナンジャタウンの「マカロニ広場」や「ナンダーバード」と同じなのかもしれない。逆に同じTDSでも「マーメイドラグーン」だけは、 TDLと同じような感覚を覚えるのは、「リトルマーメイド」というディズニー映画に特化したエリアなのだからかもしれない。
 そんなわけで、私はTDSが好きである。年間パスがあるなら買いたいものだ(そういえば、2ヶ月限定の期間パスが発売されるそうなのだが、なんとこの期 間パスはTDLの年パスを持っていないと買えないとのこと…理不尽過ぎる(;_;))。来年は、TDSは食のイベントを行うそうだ。なんだか、パークがナ ンジャタウンに近づいているような気がする。それは、つまりより日本人のパークに近づいているということなのかもしれない。
(2002.12.29 01:50執筆、12.29コミックマーケットにて発行の「つれづれなる本」より)

 
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