第1回GPA(ゲームプロフェッショナルアドバイザー)認定試験を受けての雑感(1999年5月20日執筆)

 

 アスキーが事務局となって開設している「GPA(ゲームプロフェッショナルアドバイザー)資格検定試験」の第1回目が開始となった。インターネット上のバーチャル試験会場で、いつでも時間のあるときに試験を受けられるというので、物は試しに受験してみた(試験料も安い)。
 このGPA認定試験というのは、コンシューマーゲームの知識やプレイ時の一般常識をテストし、他人にゲームをアドバイスするに相応しい人を認定 するというのが目的なのだそうだ。当然私のような、ゲーム専用機は「プレイステーション」しか所持しておらず、コンシューマーオリジナルの人気ゲームにほ とんど見向きもしない人間が合格できるような試験ではないと考えていた。
 試験の範囲は、テレビゲームの取り扱い方法、ゲーム用語、技術用語などの共通問題から38問。課題ゲームソフト(事前に告知されている)に関す る問題が1ソフト2問ずつで12問となっている。計50問を1問2点と計算、70点以上が合格となる。ちなみに、事前に告知された6本の課題ゲームソフト については、私はどれも1度もプレイしたことがない。
 しかし、実際に試験を受けてみると、結果はなんと86点で「合格」。
 
 振り返ってみると、共通問題については半分近くがちょっとでも業界に興味を持っている人間であれば楽々解答できる問題で、さらにそのうちの何問 かはゲーム機に限らず、家電製品の取り扱い方法全般の常識問題で、間違えようのない問題だった。さらにはインターネット上での試験と言うこともあり、解ら ない問題については試験中に資料を調べることもできる(120分の時間制限のみある)。もう1枚ブラウザのウィンドゥを開いておけばそこから解答を探し出 すことも可能なのだ(もちろん、的確な解答を導き出すには「どこに行けば解答を調べられるのか」を知っている必要があるのだが)。これではあまりにも簡単 過ぎなのではないか。

わざわざ認定タイトルに「プロェッショナル」の文字をつけたのは単なる虚仮威しなのか。この程度で合格してしまう試験では資格として意味を成さない。
 プロェッショナルアドバイザーと言うのであれば、「ゲームソフトのソムリエ的存在として、売れ筋ソフトか否かに関わらず、ユーザーごとに異なる嗜好に的確に対応する1本を選び抜く」技能が必要だ。現在の認定試験レベルでは名前に負けている。
 まだ第1回ということで、事務局側も試行錯誤の段階かもしれない。今後、第2回、3回と続けるごとによりハイレベルな資格認定試験となることを祈る。
 

 

(後にこの試験は廃止されました)